<お役立ちメニュー>脂肪吸引についてしっかりと調べて納得のいくクリニックを選ぶブログ:2016/06/13
7年前にママが、続いて3年前に兄貴が亡くなった。
それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたぼくも、
さすがに一人実家に残った病を抱えたパパを思い、
約20年ぶりに実家に帰った。
ママが健在の頃から、
お酒を浴びるように飲む兄貴と両親の仲は、
しっくりいかなかった。
そしてママがクモ膜化出血で倒れ、
約二ヶ月の闘病の末亡くなった後は、
パパと兄貴の関係は修復しがたい程にこじれていった。
ママの死を自分のせいだと自らを責め続ける兄貴には、
お酒以外に逃げ場が無かったのかもしれない。
酔っては暴言を吐き暴れる兄貴を、
パパは悲しい目で見ていた。
そんな生活が災いして、兄貴も亡くなった。
パパは「悲しいけれど、正直ホッとした」とぼくに言った。
ぼくは、実家に戻りしばらくたってから、
ママが亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。
そんなある日見付けた手紙の束の中に、
パパからママにあてた手紙があり、
ぼくはパパに内緒でそっと開いてみた。
それはぼくが生まれて間もなく、
パパが出稼ぎ先から出したものだった。
内容は
「たまにしか会わないので、
お子さんたちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。
ぼくは涙が止まらなかった。
兄貴が生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。
仏壇の隅にパパの目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、ぼくたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。
そして、パパも昨年亡くなり、
ぼくは本当に一人きりになってしまった。
でもぼくの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。